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29隻の模型船及び2隻のアウトボード艇の試験成績からC1をLG/▽1/3の関数であるとして前記の式を得た。
高速艇のピッチングで考慮しなければならない問題に、ポーポイジング(porpoising)がある。高速における縦の航走不安定であって、ピッチングとヒービングの複合した運動であるが、平水を高速航走中、外乱によってピッチングを起こすと外乱がなくなってもそれが減衰することなく続き、又は、さらに発散してゆく現象である。ピッチング周期は停止中のピッチング周期に比べてかなり短い。ポーポイジングが大きく発達すると船底衝撃により損傷を発生したり、操船不能となり沈没の危険さえある。
船の速力を上げてゆくと、ある速力においてポーポイジングが発生し、そのまま速力を上げ続けるとある速力で航走安定を取り戻し、さらに高い速力にまたポーポイジングゾーンが存在する場合もあるが、船によってはポーポイジングが速力が上がると共に大きくなり、ある速力では、その速力を保っていてもポーポイジングが発散して大きくなってゆき、速力を落とさざるを得なくなる場合もある。
ポーポイジングを起こしやすい船は、波に対する応答にもその影響が出て波に対するピッチング角度も大きくなり、また、波頂からジャンプするとき、その跳び出す角度が大きく、あるいは空中で姿勢が変わり続けるなど不安定な応答をする。ピッチングを起こしにくい船は、波の中でも水平に近い姿勢を保ちながら航走し、ジャンプしても比較的水平に跳び出す傾向がある。
図4.4は模型試験のポーポイジングの記録を整理して、ポーポイジングを始める速力を求めたものである。ポーポイジング特性は船型によって大きく変化するが、同一船型では重心位置によってその発生速力が決まり、抵抗上有利な条件を求めて重心位置を後方に持って行くと、航走安定は損なわれることを示している。
図中のU.S.Navyは、1920〜1930年代のアメリカのイソランドウォーター用ランナバウトを母型としたシリーズの成績であって、比較的重い状態(計画の排水量の20%増までの試験を行っている)で使うと航走安定は良くないことを示している。このようなランナバウト船型をBritishPower Boat社(B.P.B社)が改良し、パトロールボートとして海上の使用に耐えるものとしたのが第2次大戦の英米の魚雷艇である。日本海軍はB.P.B、社のパトロールボートを入手して同系統の船型を採用していた。戦後、南国特殊造船が旧海軍船型を改良したものが図中の0megaである。Deepとあるのは1972年に舵社取材用として建造した8m艇を母型としたシリーズの成績で、2.0は中央部の船底傾斜βが船尾の船底傾斜βtの2倍であることを示す。
いずれも模型全長は1m前後。deepは日本モーターボート協会が行ったダイナモメーター船による野外試験であり、他はいずれも水槽試験による。
この図から、重心位置が船尾に近すぎる、あるいは排水量が重すぎる状態では航走安定は良く

 

 

 

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